お茶の雑学
毎日お茶が飲めるのは茶樹の生命力が源でした
茶葉は新芽を摘んだ後でも次々と発芽してきます。
その年の一番初めに出てきた芽を摘んで作るお茶が
「一番茶」、いわゆる新茶と呼ばれています。
それから「二番茶」「三番茶」と出来ていきます。
この茶樹のように、一年間に何度(1〜3回)も
収穫できる農作物は他に例をみません。
3月下旬に芽を吹いてから約25日程たった初摘みとなる新芽を、一芯二葉(一つの芽と二枚の葉)のところで丁寧に手摘みして仕上げたお茶で、芳醇な味と深い香りが特徴です。
一番茶摘採後約45日程で二番茶、その後約35日程に三番茶を摘みます。
陽光を浴び主成分のタンニンやアミノ酸・ビタミンが豊富です。
気温が上昇すると茶葉が固くなり徐々に品質は低下していきます。
初摘みの後、茶園の芽が出揃った時期に機械摘みして仕上げたお茶で、ほぼ八十八夜の時期に最盛期を迎えます。
アミノ酸やビタミンが豊富で、コクのあるさわやかな味とすがすがしい香りが特徴です。
日本茶・中国茶・紅茶文化の違いが、味に現れます
日本茶も中国茶も紅茶もツバキ科の茶樹から作られる飲み物です。
ただ、製造方法の違いから、日本では緑の緑茶へ、欧米では綺麗な紅色の紅茶へとそれぞれが進化したものです。
日本茶の製造方法は、生葉を摘んだ直後に「蒸す」工程があります。
この工程があることで酸化酵素の働きが抑えられ醗酵を抑制し綺麗な緑色やビタミン等の栄養素が豊富な緑茶となります。
幻のお茶「白茶」
幻のお茶「白茶」は、福建省のお茶の王様といわれ、白茶の代表格である「白毫銀針」を日本茶製法によって少量ではありますが、復刻されています。
この茶樹から摘まれる一番茶の新芽は、 一般的な深緑色とは違い、黄白色の色合いをしており、煎茶でありながら玉露特有の旨味と煎茶のような香りを併せ持った独特風味を楽しめるお茶なのです。
また玉露の旨味を感じるわりには、玉露栽培に必要な 「遮光」をすることなく育てますし、二番茶になると、一般的な緑色の茶葉をつけるため、摘むのは一番茶のみしか収穫しません。
それが「幻のお茶」と呼ばれる由縁なのかもしれません。
お茶の効能
緑茶に含まれるタンニン中のカテキン類は、細胞の癌化を予防する効果があります。
またビタミンCは発癌物質の作用を抑制。
さらに、エイズの増殖を防ぐ作用もあることが 分かってきて、お茶には医学的にも大きな期待が寄せれられています。
また、大きな話題を呼んだ、アメリカ アラン・コニー博士の「発癌物質と緑茶を一緒に飲むのと飲まないのでは、 癌発生率が50%以下になる」との実験結果が発表されました。
お茶に含まれ物質カテキンが影響を与えていると見られています。
実際、静岡県のお茶処では胃癌死亡率が全国平均の50% 以下という結果もあります。
エイズについては、1991年にシンポジウムで、カテキンがエイズ増殖を抑制する効果があると発表されました。
人間の体は、健康な状態では弱アルカリ性に保たれています。
ところが、高カロリーの偏った食事をしていると酸性に傾き、体の調子が悪くなることもあります。
お茶はそんな 体の酸性化を防ぐ多くの微量要素やミネラルを豊富に含んでいます。
そのうえ、カロリーゼロですから、毎日何杯飲んでも太る心配がなく、カリウム・ナトリウム・カルシウム・マンガン・ 銅・亜鉛・ニッケル・モリブデンなど、多くのミネラル成分が体の機能を円滑にしてくれます。
糖尿病にかかったら食事制限が大事です。
インシュリンの働きに見合った量の食事をすることで血糖値の急激な上昇を防ぐのです。
それは、お茶に含まれるカテキンが、糖質の消化吸収を遅らせてくれるからなのです。
消化が遅れればそれだけブドウ糖が血中に吸収されるのが 遅くなりますあら、その結果、血糖値が急激に上がらずにすむのです。
食後にお茶を飲めば、歯についた食べかすを洗い流してくれます。
また、お茶の殺菌効果によって口内の細菌の繁殖を止め口臭を防ぐとともに、腸炎ビブリオ菌をはじめとする 細菌を殺し、食中毒を防止、さらに、お茶に含まれるフッ素が歯を強くし、虫歯への抵抗力をつけてくれます。
タンニンをたっぷり含んでいる番茶やほうじ茶を飲んでいると、腐敗しているタンパク質を凝固して体内に吸収されるのを防ぐため、食中毒を防止できます。
毒キノコの中毒でも有毒成分を凝固します。
そのほかに、水銀、ひ素、鉛などの吸収も防ぎますから、毎日たくさんのお茶を飲んでいると、環境汚染による 有害物質の吸収を防ぐことにもつながります
緑茶に含まれるサポニンは、消化管を通過するときに脂肪を連れ出し、血中の悪玉コレステロールを減少させて、動脈硬化を予防すると考えられています。
また、タンニンにもコレステロールを減少させる作用があり、脳卒中や心臓病などの成人病に対する効果も期待されています。
お茶に含まれるビタミンCは、ウィルス感染への抵抗力を強め、風邪などの予防や病気の治療効果を高める働きがあると言われています。
普段からお茶を飲んで免疫機能を強め、ストレスや疲れに負けない強い体づくりをしましょう。
お茶を飲むと頭はスッキリし、元気が出て、だるかった体調がよくなることはどなたでも経験があることです。
これは、お茶の成分のチャンピオンであるカフェインが 中枢神経に働きかけるためで、精神機能や運動神経が高まり、身も心も軽くなるからなのです。
このお茶に含まれるカフェインの興奮作用と違って、お茶の旨味成分でもあるテアニンによって穏やかな興奮作用を発揮します。
だから頭がスッキリするわりに眠れないといった 睡眠の障害には至らないということなのです。
お茶の中のカフェインは、大脳などの中枢神経に興奮作用をもたらし、知的作業能力や運動能力を高めます。
また、強心作用や利尿作用によって精神を安定させる働きがあり、判断力や記憶の増強に役立つことが証明されています。
つまり、育ち盛りの子供たちには一番というわけです。
体内の脂肪は一部酸素と結びついて過酸化脂質という有害物質に変わります。
この物質は動脈硬化を促進し、老化色素といわれるリポフツチンに変わり、 細胞にたまります。
お茶のタンニンには、脂肪の酸化を強く抑制する作用があり、老化を防ぐ成分としては、ビタミンEの20倍も強いと言われます。
お茶に含まれているタンニンが、胃の働きを活発にし、腸のぜんどう運動を盛んにしてくれます。
つまり、便秘気味の方にとって、お茶はうれしい味方なのです。
胃炎や胃かいようの原因とされるは、ヘリコバクター・ピロリという細菌です。
緑茶には、これを死滅させるポリフェノールという成分が含まれています。
なにかとストレスが多く胃の痛い思いをすることの多い現代人にとって、お茶は美味しい味方というわけです。
亜鉛は細胞の回復、成長にひつよな役割を果たします。
さらに、ナトリウムは神経伝達系に作用し、不足すれば反応が鈍くなります。
瞬発力の必要なスポーツには特に不可欠です。
弾力性のあるみずみずしい素肌づくりにはビタミンCが欠かせません。
緑茶に含まれるビタミンCは、熱にも強く80℃でも壊れないうえ、煎茶3杯でりんご1個に匹敵するほど たくさん含まれています。
つまりお茶は、美容にも最適な飲み物というわけです。
砂糖を入れずに美味しく飲めるのが緑茶のうれしいところ。
しかも、ノンカロリーなので何杯飲んでも太る心配はナシ。
また、油っぽいものを食べた後などに飲むと、 お茶の中に含まれるタンニンが、脂肪を分解する酵素の働きを高めてくれます。
お茶の雑学
全てツバキ科の茶樹です。
違いは製造工程にあります。
日本茶は不発酵系、紅茶は発酵系、中国茶は不発酵系と半発酵系があります。
軟水系のミネラルウォーターがベスト(反対に硬水系やカルシウムが多い水にはお茶は合わない)。
水道水は、浄水器でカルキ臭を取り、 一晩汲み置きにする。
または沸騰させたまま5分以上おいてから使うといいでしょう。
茶碗の底が見えないぐらい濃すぎるお茶は、タンニンやカフェインが胃に過度の緊張を与え胃を荒れさせる場合があります。
また、胃が弱い方は空腹時は避けたほうが良いでしょう。
しかし、通常のお茶の濃さの場合は、胃の筋肉を緊張させ胃液の分泌を促進し、 胃の働きを活発にします。
ほうじ茶や深蒸し茶は比較的に胃に優しいとも言われています。
妊娠中に気分がすぐれないときには、緑茶をポリポリ噛んで食べると気分が安定し、元気が出てきます。
また、煎茶のようにビタミンCを多く含むお茶にはつわりを軽くする効果があります。
お茶には、腸を弛緩させる働きがあり、神経性や緊張性のストレス性便秘には効果があります。
飲み終わった後の茶ガラには消臭効果があります。
よく乾かしガーゼに包んで冷蔵庫に置いておくと、 嫌な匂いがとれます。
効果が落ちてきたら取り出して、油気のないフライパンで焦げない程度に炒れば 繰り返し使えます。
さらに、肉や魚料理の後の生臭さと脂っこさも、両手に茶ガラをとってもみながら洗えば、 きれいに取れます。
また、茶がらを絞って観葉植物や庭木などの根本に置くこだけで植物が元気になってきます。
また、上質の茶葉なら佃煮などで食することもできます。
ほうじ茶は、お茶の中でもカフェインやタンニンが少なく、薬の作用を妨げません。
さらに、ビタミンPの働きで血管の中壁を強くする 作用もあります。
手術後の血管回復が早くなったり、高血圧で脳卒中の心配がある方には必要なビタミンです。
また、口に含めば口臭効果も得られます。
乾燥させた茶ガラを袋に入れて、床や柱・畳などを拭くと、ツヤが出ます。
また、よく絞った茶ガラを板の間や廊下などに振りまいてホウキで掃くと、ホコリをたてずにきれいに掃除ができます。
お茶のカフェインは、鎮痛剤、鎮静剤、睡眠薬などの効果を弱くし、頭痛薬、風邪薬などは逆に強くしてしまいます。
またお茶のタンニンは、貧血時に飲む 増血剤、胃腸薬の効果を弱くします。
お茶は湿気を吸収しやすく、熱や温度ですぐに変質しやすいので、10日分くらいを目安に、買ってきたお茶を小分けし、密封容器に入れておくのがいいでしょう。
お茶は匂いも吸収しやすいため、冷蔵庫で長期保存するときは、他の食品の匂いがつかないように、容器をビニールテープで密封し、さらにビニール袋に入れておきましょう。
日本の農薬規制は世界で最も厳しいといわれる基準があります。
厚生労働省の食品衛生法や農薬取締法の安全使用基準により、危険な農薬の使用禁止や登録更新の義務などがあります。
毎日飲んでいただくものだからこその対策が幾重にも講じられています。
お茶生産農家でも、不必要・不経済な混合散布の中止や、有機栽培・減農薬栽培など様々な工夫が行われています。
お寿司屋さんのお茶は、業務用として玉露や煎茶の製造工程でできる粉茶や芽茶を使用しています。
これは生のものを食べた後食中毒予防や口の中でスッキリしていただくため、 味と香りがしっかりしている粉茶や芽茶が適しているからです。
最近は一般用でも販売しています。
前日急須に入れたお茶を、翌日そのまま飲むことを「宵越しのお茶」と言います。
これは、お茶に含まれるタンパク質の作用で、カビ等の細菌が発生し、茶葉を腐敗させます。
また、「宵越しのお茶」には濃いタンニンが浸透しており、お腹をこわす恐れがあります。
毎日新しいお茶を飲みましょう。